なぜ、当事者による調査・診断が難しいのか?
皮肉なことに、ホールが直面する「現実」というものは、実際には第三者でなければ把握しづらいものです。その理由は、大きく3つあります。
利害関係から、本音を言わない
経営者や上司がどんなに部下を思いやっているつもりでいても、部下はその本音を明らかにすることが滅多にありません。
なぜかと言えば、それは「利害」が絡むからです。
上司が寛容な人柄であっても、部下からすれば下手な一言で「万が一」の事態に巻き込まれる可能性は、拭いきれません。そのため、上司に向かってする発言内容は意識・無意識的に取捨選択され、リスクを伴う発言を行なうことは滅多にありません。もちろんこれは、部下個人の性格によるだけでなく、人間のリスクを回避性向が大きく関係するため、悪意なく自然発生的に現れてしまう現象です。
また、「無駄な心配はさせたくない」という想いから、上司を気遣って部下達が問題を明確に伝えないケースもあります。事態を自分達で収めようとし、結果として上層部の目の届かないところで問題が放置された状態になっていることも珍しくありません。
この様に、組織内の人間関係の良好度合いに関係なく、利害関係というものは時として現場の現実を的確に上層部へと伝えてはくれないものなのです。
組織構成上の歪み
現場の従業員が上司に報告しても、中層部で情報が途切れてしまい、上層部まで情報が届かないケースと言うものも珍しくありません。これには大きく2つの理由があります。
1つは、組織の構成やオペレーションシステムに不具合があるからです。組織のシステムを構築するのは想像以上に難しく、情報がある階層で回遊したり滞ったりと、情報がスムーズに伝達しないケースは、組織規模が大きくなればなるほど多発しやすくなります。また、これを回避するために講じた手続きが、情報伝達の遅延などの不具合をさらに招くといったことも珍しくはないのです。
また2つ目の理由として、中間管理職等の能力不足というものが挙げられます。これは意外と見落としやすい問題点です。
中間管理職に就く多くの人達は、平社員時代に優秀だと認められて昇進しますが、管理者として有能かどうかは別問題です。また、管理者能力を高めるための訓練を受けた管理者はそれほど多くありません。そのため、優秀だと思われていた人物が、実は管理者としては今ひとつ能力を発揮できず、下からの情報を上手く吸い上げたり、またそれをきちんと上に伝えることが出来なかったりするのです。
また、一度地位を手にすると、人は保守的になりがちです。部下のミスを上層部に伝えることは、自分の首を絞める結果になりかねませんから、問題を途中で握りつぶしたり、見て見ぬふりをしてしまうことも珍しくありません。経営者から見ると優秀・誠実と感じられる者でも、現場から見たらそうでもないという管理者は、数多く存在します。
調査・診断に関する専門知識
自らの会社とその置かれた立場を自らで判断する・・・
それはとても難しいことです。自社のこと、自社で働く人達のことを良く知っているがゆえに、いつのまにか色眼鏡をかけて判断してしまいがちです。そしてそれは、過大評価や過小評価の繰り返しでしかなく、正しい判断を難しくしてしまいます。
しかも、現場を調査するには、それなりの専門知識と経験を要します。また、調査結果をいかに診断するかも、同様に専門的技術を必要とします。
その様な状況で誤った調査をし、さらにその誤った調査結果を元に誤った判断を下せば、経営判断は自ずと過ちを犯しやすくなっていきます。
以上のことから、自らのホールが直面する現実、つまり現場の調査とその診断は、専門知識を持った第三者によって行なわれた方が懸命だということがお分かりだと思います。
調査・診断内容
小林ノリユキが行なう現場の調査および診断は、専門知識と豊富な経験によって行なわれます。
主な調査内容は、以下の3つが基本となります。
- 立地調査 ・・・市場調査、立地条件の調査、ライバル店調査など
- 現場調査 ・・・営業における商品・サービス状況、接客状況などの調査
- 組織調査 ・・・管理体制やオペレーションのレベル調査、従業員の意識調査など
立地調査
これは調査対象の店舗が、どの様な特徴のある地域にあるかを明らかにするために行ないます。どの様な市場特徴を持った地域なのか、対象となるエリアの適正範囲はどこからどこまでなのか、ライバル店との立地的な優劣はどうなのかを調べます。
これによって、その地域性に合わせた合理的な営業が現在行なわれているかを診断し、改善点を提示します。
現場調査
主にQSC(店舗運営水準)の調査が中心となります。これは、従業員の接客対応の実態、サービス内容や店舗のクリーン度など、顧客が店舗と直接接する面を調査・診断します。
組織調査
組織の仕組みがどの様に機能しているかを調査します。管理体制やオペレーションのレベル、また従業員の意識を調査することで、組織がどの程度機能的に活動できているかを判断し、改善点を提示します。
以上、これら現場を調査することで、経営陣の目に届きづらかったホールの「現実」を明らかにしていきます。
調査・診断のコース内容
依頼者の要望にあわせ、調査・診断には予め3つのコースをご用意しています。
ライトコース
期間: 1週間程度
料金: 189,000円
内容: 立地調査(30項目)・現場調査(30項目)
標準コース
期間: 4週間程度
料金: 567,000円
内容: 立地調査(50項目)・現場調査(50項目)・組織調査(50項目)
徹底コース
期間: 8週間程度〜
料金: 1,134,000円〜
内容: 標準コースの内容+クライアント個別のご要望(人物調査・取引先調査 etc...)
詳しい内容は、お問い合わせください。また、調査・診断を含めたコンサルティングのコースをご検討の方は、コンサルティングのページをご参照ください。