コラム:パチンコ店経営を考えるポイント

時代は変わる(1)

7月30日に(財)社会経済生産性本部が発表した「レジャー白書2004」によると、平成15年のパチンコ業界の市場規模は29兆6340億円となり、前年比で1.4%増加したそうです。

ところが、同年のパチンコ(パチスロ)参加人口は1740万人となり、前年の2170万人から大幅に減少しています。これは、過去10年間で最低の数字です。

なぜ、市場規模が増加してパチンコの参加人口が減っているかというと、もうお察しの通りです。パチンコ参加者1人あたりの使うお金が増加しているからですね。

同年のパチンコへの年間平均活動回数は前年の25.5回から26.8回に、年間平均費用は前年の10万7000円から11万2000円にいずれも増加しています。

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ありがたい事に、現代社会ではこの様にきちんと統計をとって発表してくれる団体や企業が、たくさんあります。

これら発表された統計を見て、各業界・各企業は、現在の状況を把握し、将来を予測するわけです。

自分達を取り巻く環境がどのように変化しているかを知ることは、企業経営において必ず必要です。環境の変化に合わせて、自分達の企業も変化していかなければ、未来からは置き去りにされてしまいます。

「レジャー白書2004」の統計を見る限り、パチンコ市場にはかなりの閉塞感が漂っていることが感じられます。

けれども、このコラムでも既に何度か、パチンコ市場は成熟期に入っていることをお話していますし、特に驚くほどの話ではありませんね。

ただ、短期的なスパンでパチンコの市場規模やパチンコ参加者人数の統計グラフを見た場合、その動きは毎年増えたり減ったりと、増減を繰り返しているように見えます。そのため、パチンコ業界の今後の方向性はまだ定まっていないように感じ、今後パチンコ業界は景気が良くなる方に転じる可能性もあるのではないかと、淡い期待を抱かせている人もいるかもしれませんね。

けれども残念ながら、それはごく短期的に見ているだけの話であって、長いスパンでその動きを捉えた場合、パチンコ業界はもう既に停滞期であり、危うくは衰退期に突入するのではないかという勢いすら見え隠れしています。

・・・と、ここまでお話しましたが、今までこのコラムでは、当たり前の様に「成長期」だの「成熟期」だの言ってきたように思います。これらについて今回は、一度まとまった形でお話したいと思います。

 

人は一生のうちに、幼年期、少年期、青年期、壮年期、老年期という時期を順に迎えていきます。

実は商品にも、同じ様な過程を経ることが知られています。

これを「製品ライフサイクル」と言い、導入期→成長期→成熟期→衰退期などと呼んで分類しています。

 

製品ライフサイクル

(下手くそな図でゴメンなさい)

 

導入期とは、その商品が開発された後、市場に導入された時期です。まだ多くの人がその商品を認知していないか、もしくは必要性を感じていない時期です。

成長期は、その商品が世間に認知され始め、売れ出した時期です。この商品が、もっとも売上げを伸ばしていく時期になります。

成熟期に入ると、その商品はほとんどの人が持っているので、成長が止まります。この時期は新しく購入するよりも、基本的に買い替えの需要が中心となります。

衰退期には、その商品はどんどんと売れなくなってきます。基本的にこの時期には、新たな代替商品が出てきて、今まで商品に消費者は必要性を感じなくなっています。

さて、この様に製品にはライフサイクルがあるわけですが、必ずしもこれはモノである必要はありません。形のないサービス商品であっても、同じライフサイクルをたどります。

では、これらをもとに次回のコラムでは、パチンコ業界の動向を改めて振り返っていきたいと思います。

2004年8月27日

ホール運営研究会
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