コラム:パチンコ店経営を考えるポイント

多店舗展開の留意点(2)

言ってしまえば多店舗展開とは、それによる自社の拡大が借り入れ元金プラス利子を上回るかどうかということにかかっています。

それを上回らないのであれば、図体ばかりでかくなって中身がドンドン質が悪くなっているという事です。当然、上回る事を前提に戦略を立て実行していかなければなりません。

ところが、ここで留意しなければならないのは、「着地」です。

着地点がどこにあるのか?
そして、どの様に着地するべきなのか?

これについての考慮が必要になります。

 

前回のコラムでもお話しましたが、出店する店舗が全て一律で計画通りの業績を達成し続けるかといえば、それは土台無理な話です。

オープン間もなくして失墜する店舗もあるでしょう。ずっと業績の良かった店舗が、次第に傾いていくということもあり得ます。

業績の良い店舗達が、その損失分をカバーし切れていれば良いのですが、経済的・経営的状況がめまぐるしく変化する現代市場では、その店舗の業績すら今後どうなるかはわかりません。

その様な状況下、借り入れ分を追いかける形で出店が繰り返されるという逆転劇だけは避けなければならないのです。企業側は、借り入れプラス利子の増加を常に上回るように、調整しつつ自社の拡大を目指さなければいけません。

ところが、企業が永遠に出店を繰り返して拡大し続けるという事は、ありえません。いずれ、市場飽和と共に出店が止まります。(もしくは減速します。)

いわゆるその時期が、企業の多店舗展開の着地点となる時期なのですが、その時に先の調整が上手く終わっているかどうか・・・これが重要です。

着地点にたどり着いた時点で、基本的に売上げの上昇は止まります。

それだけなら良いのですが、着地点にたどり着いた時からどの程度その売上げを維持し続けることが出来るのかという”読み”が重要なのです。

単純に考えれば、着地点にたどり着いた時が、市場飽和ですから、以降しばらくは売上げが停滞し、その後売上げは減少します。

その停滞と減少の度合いが、果たして借り入れ残高の減少の度合いより低いのかどうか?これも非常に重要です。

借入残高よりも、売上げの減少が強ければ、当然社内は火の車になります。

ですから、急速に多店舗展開を進め、市場シェアの確保に努める企業は、

どの地点に着地するのか?
どの様にして着地するのか?

ということを、常に描いて事業を推し進めなければならないのです。

いやあー。でも、財務的なことばかりではありませんよ。組織的においても、この着地点を考えないと、組織は物凄い勢いで硬直化を始めてしまいます。

(次回のコラムに続く)

2004年10月29日

ホール運営研究会
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