そんな目で見ないで
パチンコ店における「営業」というものを
商品=パチンコ台・スロット台
販売=イベント・接客
広告宣伝=新聞折込チラシ・店内貼りポスター
という発想で見るのは、あまりお勧めできません。私はこの様な発想を「思考停止型」発想と呼んでおり、 間違いとは言いませんが、100点満点中15点位にしか評価しません。
なぜ「思考停止型」かというと、この様な発想をした人は
何も考えずに答えた
ということに他ならないからです。考えたつもりでいて、実はほとんど考えていないのです。
「そんなことはない。きちんと考えたぞ!」
と思われる方もいると思いますが、この様な考え方は「答えを出した」ことにはなっても、「発想した」ことにはならないのです。
実は業務に日常的に携わっている人というのは、経験を積めば積むほど自由に発想することが困難となっていく傾向があります。
これは自分の経験則で物事を判断するようになってくるからです。
人は経験に裏打ちされた知識が増えれば増えるほど、業務の遂行が速やかになります。目の前の問題に対して、いちいち考えなくとも、経験から答えを導き出すことが出来るからですね。
「1+1は?」
「2×2は?」
この様な問いに、人はほとんど考えることなく答えることができますよね。日常の業務も経験を積めばこれと同じ様なことが起こるわけです。
ですからパチンコ店で働く人というのは、逆に上の様な思考停止型発想を自然としてしまうのです。
しかし「あなたのお店の営業とは?」と考えることは、単純な計算問題ではありません。「商品」というものを「パチンコ台・スロット台」とイコールで即結びつける前に、もっと頭を働かせて考える必要があるのです。
きちんとした視点を与えられても、きちんと発想することがなければ、あなたのお店の営業が発展していくことはありません。1+1の答えがいつも2であるように、あなたのお店の営業もいつも同じことの繰り返しにしかならなくなります。
ではこの「思考停止型」の発想しかしないとどのような弊害が起こるか、具体的に先の例で見ていきましょう。
上記の様な思考停止型で、あなたのお店の営業力を高めようと考えると、
商品力を高める=遊技台を質の良いものにする
販売力を高める=面白いイベントをし、接客の質を高める
宣伝広告力を高める=チラシやポスターを工夫する
という答えしか出てきませんね。
と言うことはつまり、営業について考える場合、常に
「次の新台はどうする?」
「今度のイベントは何をしようか?」
「従業員の接客を更に徹底しよう。」
「チラシはどうする?枚数は?デザインは?」
という話にしかならないということです。
こんな議論、現場では何十回、何百回と繰り返したことでしょうか。
いつも議論は同じ内容。
そして出てくる答えもいつも同じ。
「CR○○が評判良いみたいだから、新台はこれにしよう。」
「次のイベントは感謝祭としてスロットに高設定台を入れて・・・・」
「お客様に対する言葉遣いをもうちょっと良くしよう。」
「今回はイメージ変えようよ。配布数は前回と同じ枚数でどう?」
一生懸命考えているのに、議論する内容も出てくる答えも、いつも似たようなことばかり。そしてそれは、結果として近隣のライバル店といつも変わらぬ営業となっているのです。
これでは、せっかく視点を決めて考えたのに、全く意味がありませんね。あなたのお店の営業を考える場合、このような「思考停止型」発想ばかりで考えてはいけないのです。
「そんな目で私を見ないで!」
あなたのお店は、あなたに向かってそう言っているかもしれません。(笑)あなたがお店の営業を考えていく場合、もっと違う発想が必要となってきます。
では、どの様にして発想していけばよいのでしょうか?
次回のコラムにて、解説していきましょう。
2004年3月12日