コラム:パチンコ店経営を考えるポイント

発想が大切

それでは先の「思考停止型」の発想から抜け出すには、どうしたら良いでしょうか?

それには 少し工夫が必要です。その工夫とは、「ちょっとだけ深く考えてみる」ということです。

前回の例にならって、パチンコ店の営業における「商品」とは何かということを、もう一度考えてみましょう。もちろん前回よりも、ちょっとだけ深く考えて。(笑)

まず、パチンコ店の売上げはどこから来るのでしょうか?

もちろん、お客様から来ますよね。来店したお客様がパチンコやスロットで遊ぶ際、玉貸しやコイン貸しによってお客様はお金を支払うのです。

つまりパチンコ店において、その売上げは来店したお客様がパチンコやスロットで「遊ぶ」ことによって生まれるわけです。

そう考えると、パチンコ店の商品がパチンコ台やスロット台そのものというのは、ちょっと違うような気がしてきます。お客様がパチンコ店でパチンコ台を買って帰るわけじゃありませんからね。(笑)

では、こう考えてみたらどうでしょうか。

商品=遊技台で遊ぶ<場>を提供すること

もちろん他にも色々と考えられますが、例えばこのようにパチンコ店の商品を「パチンコで遊ぶ<場>を提供すること」として考えてみましょう。

すると、この様に発想した途端に、あなたの思考回路は動き出します。

商品力を高めるということは、パチンコで遊ぶ<場>を提供するレベルを高めること?
これって一体、どういうことなんだろう?
では、どのような<場>を提供したら、お客様は喜んでくれるのだろう?
もちろん遊技台も大切だよな。
でも、それだけが喜んでもらえる要素じゃないし・・・・
接客はどの様にしたら喜ばれるのだろう?
今までのサービス方針は正しかったのだろうか?
お店のルールはこのままで喜んでもらえるのだろうか?

こんな感じで、どんどんと疑問がわいてきます。

このように疑問が次から次へとわいてくる考え方を先の思考停止型と区別して、「思考稼動型」とでも呼びましょうか。

そしてこの様に考えるようになると、思考停止型で考えた

「商品」=遊技台
「販売」=イベントや接客

が、実は

思考稼動型の発想ではどちらも「商品」の一要素でしかない

ということに気がつきます。

思考稼動型発想におけるパチンコ店の商品力とは、パチンコやスロットで遊ぶ<場>をいかに高いレベルで提供できるかということですから、遊技台の機種だけでなく、清潔度や接客サービス、イベント内容、換金率、遊技ルールも、全てがひとつになって「商品力」と考えるのです。

今のところ、重要です。
もう一度書きます。

思考稼動型発想でパチンコ店の商品力を、「パチンコやスロットで遊ぶ<場>をいかに高いレベルで提供できるか」であるとして考えた場合、遊技台の機種だけでなく、清潔度や接客サービス、イベント内容、換金率、遊技ルールも、全てがひとつになって「商品力」であることがわかります。

つまりこれら各要素が別々に存在するのではなく、各要素がバランスをとりながら統一性を持たなければ、あなたのお店の商品力は高まらないということです。

接客においてホールスタッフのモチベーションが非常に高いのにもかかわらず、いまひとつ売上げの振るわないお店や、「出玉じゃあ、隣の店に負けてないんだけどなあ・・・・」とつぶやきながらも顧客の増えないお店は、このバランスを崩していたり統一性を欠いているケースが多々あります。

ところが、これらを上手く連動させて営業を行っているお店というのは、なかなかありません。パチンコ業界の歴史の中で、この辺りのノウハウを各店舗が蓄積出来ていない、というのがパチンコ・スロット店の現状ではないでしょうか。(これって逆に言えば、先にノウハウを蓄積した企業には物凄いチャンスとなりますね。)

また、「商品」だけでなく「販売」や「広告宣伝」も同じように思考稼動型発想で考えていくわけですが、実際のホール運営では更にこの3つの視点を同じく連動・統一させて営業を組み立てて行く事によって、営業力の強化と効率性を生み出します。

あなたのお店でも次の営業会議から・・・・いいえ、出来れば今日からでも思考稼動型の発想で営業に取り組んでみてはいかかでしょうか?

ところが、こういうことを言うと必ず

「それは言葉遊びにしか過ぎない。」
「実際に考え方を変えたところで、何も変わらないよ。」
「言われるまで気がつかなかったけど、実は今まで同じことはやっていたよ。でも何も変わらなかった。」

という人が出てきます。

本当にそうなのでしょうか?

次回のコラムではその辺りを明確にしていこうと思います。

2004年3月19日

ホール運営研究会
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